
ほとんどの成形工場では、日々効率を高めるために改善活動が行われ、徹底的にムダを取ることが行われています。そのような成形工場の中にそんなにムダが今でもたくさんあるでしょうか?
例えば、樹脂の射出成形の工程に究極的に絶対必要なエネルギーというのを考えて見ましょう。実は、本当に最低限必要なのは、「常温の樹脂を溶融温度にまで加熱するためのエネルギー」と「溶融した樹脂を金型に注入するためのエネルギー」のみではないでしょうか?それ以外は、本来的には何らかの意味で余分なエネルギーです。ただし、溶融した樹脂を固めるときに出る熱を水などの媒体を通して屋外に出してやるとすると、その水を循環させるためのエネルギーとその水を再度冷却するためのエネルギーは別途必要になります。
しかし、実際は、これらの必要最低限なエネルギーよりもその何倍ものエネルギーが浪費されている場合がほとんどです。
これを象徴するのが、成形工場といえば「暑い、暑くて当たり前」と考えれていることです。成形工場の現場が暑いとするとそれはそれだけのエネルギーがムダに放熱されていることを意味しています。
成形の時に出てくるスプールランナーは、たとえその後リサイクルで使われたとしても、再度溶融するためのエネルギーが余分にかかります。もしリサイクルで使われない場合は、なおさらのムダが発生します。
また冬季などの比較的寒いときでもクーリングタワーから水蒸気が蒸発しているようすをみることがありますが、これもものすごいムダを象徴しています。冬であれば、そんなことをするまでもなく、水は冷却できるのです。またチラーで必要以上に冷たい水を作って、それを使う条件に合わせて加熱して使うようなことが行われているところもあります。
ムダを徹底的に排除することに日々努力されている成形工場のような現場でも、資源生産性という観点から見るとまだまだムダのかたまりなのではないでしょうか?
別な言い方をすると、いままでは工場の効率化といえば、主に労働生産性の向上(いかに少ない人数で生産量をふやすか)を目指していました。しかしこれからは、それだけでなく、いやもしかしたらそれよりも、資源生産性の向上(いかに少ない資源で生産量を増やすか)を目指さなければならない時代が来ているのだと思います。